大衆演劇九条笑楽座鹿島順一劇団1/3観劇記

第2部お芝居は、三浦屋孫次郎。

三浦屋孫次郎は、正堂と笹川繁蔵を斬った。飯岡助五郎に一宿一飯の恩義被らされての仕業。飯岡は首実検。痰唾を首に向かって吐き、草鞋銭替わりの金を投げ銭した。後悔の念が起こる。そこに食客の聖天徳次郎が。お前が仕損じれば俺が繁蔵を。お前が仕留めれば、お前を殺すように言われてた。刃を交えるが、力の差は歴然。ドスをほおり投げ、どこからでもやっておくんなせぇ。しかし刀を振り下ろすことができない。お前は、先ほど心残りがないと言うておったが、本当は心残りがあるのではないか。名を挙げたいという。お前に死に場所を与えてやろう。その首を笹川一家に持っていけ。ただし無腰だ。

笹川一家では、首のない遺体で、弔いをしていた。飯岡に殴り込もうという話が出たが、姐さんのおしげが止めていた。そこに来客が。孫次郎だ。いきり立つ笹川一家。姉さんにどうしても渡したいものがあるんで。おしげが受け取ると、茂蔵の首。笹川の四天王がいきり立つ。こちとら死ぬ気で来てんだ。着物の下からは死装束。話を聞いてからでも遅くはないだろう。飯岡に草鞋を脱いで一宿一飯の恩義。勝負は時の運。地元に帰って気が緩んだのか、繁蔵親分に勝つことができました。草鞋を脱いだ所が悪かった。もう我慢できねぇと、匕首に手をかける。そこに姐さんが一喝。笹川一家は無腰の男を串刺しにしたら笑われる。しかしこのまま返すわけはいかない。時と場所を変えて。孫次郎は場所が不慣れなんでそちらで決めてくれという。が、場所は大利根河原、笹川堤。時刻は明けの六つ。

一足先にきた孫次郎。自分のどすを刃留する。そこに現れたのは徳次郎。巷ではお前の話で持ちきりだ。飯岡は若い奴の名揚げに利用されたと歯ぎしりしている。お前は馬鹿だな。そのまま逃げても誰にもわからないのに。どうだ、俺と兄弟分になるか。そんな滅相もない。お侍さんと兄弟分なんて。俺は、ある殿様に使えていた。御前試合の相手は上役の子。上役に負けるように頼まれたが、俺も若かった。散に打ち負かした。逆恨みした相手は、拙者と契を結んだ娘をてごめ。娘は苦にして自害して果てた。おれは、そいつを切り捨て追われの身だ。死ぬ時は一緒と契の時に交わしたが、今でもこうして生きている。その話を聞いて、二人は兄弟の盃を固めることに。お前は、俺の助っ人は断るだろう。骨は拾ってやる。ひとりでも多く道連れにしていけ。

笹川一家の四天王が来た。乱戦となり、どすを叩き落とされた孫次郎。それでも必死に抵抗する。傍で見た徳次郎。どすを見て愕然とする。結局切り伏せられ、留目を誘うとした瞬間、徳次郎がどすを見せながらあいだに入った。おめぇたちに斬られた者がいるだろう。血は出たか、骨は砕けたか、肉が裂けたか。刃留をしているんだよ。手を合わしても、決して世間は笑わねえ。四天王はどすを収め、その場をあとにした。孫次郎、弔いをすると言ったが、約束は反故にするぞ。前にできなかった死ぬ時は一緒をやるんだ。やおら刀を自分の腹に突き出す。孫次郎、三途の川を一緒に渡ろう。

久に見たこの劇団の三浦屋孫次郎。多分見たのは道頓堀ZAZA以来。孫次郎自体、最近はあまりやられんようになってきた。昔は千度見たから嫌いな芝居やったが、最近はたまにしかお目にかからんようになって、改めてええ芝居やなと思う。ここの三浦屋孫次郎は80分弱。きちっと侍と孫次郎の兄弟分になるいきさつを描いている。それによりより説得力が増す。最後浪人も死ぬんやが、亡き許婚との約束を果たすため。ラストでなぜ死ぬのか分かりやすく演出している。笹川繁蔵やった雷鉄命。一昨年の遊楽館にはいなかった。恐らく1年ほど。それであの口跡は褒められる。6人で上手くまとめてた。芝居の評価は2塁打やれる。

現状6人。花道あきら、市川雀之助、春咲小紅、真神響一が抜けていた。しかも胡阿きいなが高熱で検査入院。7日までの研修生狩りだしている状況。高1みたいやが、踊りはまずまず。恐らくやってるんやろう。芝居はまだまだ素人の息。そのため明日やる波に咲く花が外題変更。恐らく5日の黒髪道中、6日の仲乗り新三間で演目変更やろう。波に咲く花は見たかったで。正直先月がんこ座行った紀州屋良五郎さんに激減してたの聞いてたんで腹くくって行ったが、思ったほど悪くはない。今日の芝居も上の出来。教え方が上手いんやろう。日曜日に泣きの芝居を持ってきている。7日が悲恋夫婦橋、14日が吉五郎懺悔、28日がマリア観音。わしは人情芝居が好きなんで17日の大江戸裏噺あたりも食指する。24日の悲恋流れ星は見たいな。

休演日25日。

ほんじゃ